相続税額の計算方法について 〜 その2
相続税の総額を計算する
相続税の総額を計算するにあたっては、まず相続人等が遺産を実際にどのように分割したかということに関係なく、「法定相続人の数」に算入された相続人が上記の課税遺産総額を法定相続分に応じて取得したものと仮定して各人ごとの取得金額を計算することになります。
この計算が終わりましたら、算出された各人ごとの取得金額に対して、それぞれ相続税の税率を掛けた金額を計算します。
計算された各人ごとの金額を合計し、この合計した金額が相続税の総額となります。
事例
・課税総額2千万円の内訳
妻:2分の1 − 1千万円
長男:4分の1 − 5百万円
次男:4分の1 − 5百万円
課税遺産総額である2千万円を、法定相続人の数に応じた相続分(法定相続分という)で按分します。
※法定相続分の主なもの
・子がいる場合:配偶者−2分の1 子−2分の1
・子がいない場合:配偶者−3分の2 父母−3分の1
・子も父母もいない場合:配偶者−4分の3 兄弟姉妹−4分の1
次に按分した金額に対して、それぞれ税率を掛けて税額を計算します。
妻:1千万円 × 税率10% = 100万円
長男:5百万円 × 税率10% = 50万円
次男:5百万円 × 税率10% = 50万円
※ここでは仮に税率10%を採用していますが、実際には相続税申告書第2表に記載されている「相続税の速算表」で確認します。
各相続人で計算した税額の合計額が相続税の総額となります。
相続税の総額 = 妻100万円 + 長男50万円 + 次男50万円 = 200万円
各相続人が納付すべき相続税額を計算する
相続税の総額が算出されましたので、この金額を課税遺産総額に占める各人の課税価格の割合で按分計算した金額が、各相続人の相続税額となります。
注意が必要なこととして、財産を取得した者が被相続人の一親等の血族(代襲して相続人となった孫(直系卑属)を含む)や配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算される仕組みとなっていますので注意が必要です。
※上記の「一親等の血族」には、被相続人の養子となっている被相続人の孫(直系卑属)は、被相続人の子(直系卑属)が相続開始前に死亡したときや相続権を失ったためその孫が代襲して相続人(その地位を放棄した人を除く)となっているときを除き含まず加算の対象となるので注意が必要です。
相続時精算課税適用者が相続開始時において、被相続人の一親等の血族に該当しない場合であっても、相続時精算課税に係る贈与による財産取得時において被相続人の一親等の血族であったときには、その財産に対応する一定の相続税額については加算の対象とはなりません。
この計算が終わったら、各相続人ごとの相続税額から各種税額控除(配偶者の税額軽減額や未成年者控除額、贈与税額控除額などがある)を差し引いた金額が各相続人が納付すべき相続税額となります。
事例
・相続税の総額200万円を、課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合で按分します。
妻:課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合 4割: 200万円 × 40% = 80万円
長男:課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合 3割: 200万円 × 30% = 60万円
次男:課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合 3割: 200万円 × 30% = 60万円
このように按分した税額から、各種税額控除を差し引きます。
今回の事例では、配偶者の税額軽減額80万円の適用があったとして計算します。
妻:相続税額 80万円 − 配偶者の税額軽減額 80万円 = 納付相続税額 0円
長男:相続税額 60万円 − 税額控除なし 0万円 = 納付相続税額 60万円
次男:相続税額 60万円 − 税額控除なし 0万円 = 納付相続税額 60万円
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